日本選手権で失格処分を受けたこと
2011年8月1日 日常 コメント (4)・失格を受けた経緯について
日本選手権第10ラウンド、2ndドラフトの最終戦で、フィーチャーマッチでした。
対戦相手は三田村さんで、旧知の仲ということもあり、軽いトラッシュトークを交えながらゲームは進行しました。
お互い1本ずつ取って迎えた3本目。二人とも赤緑の狂喜デッキをプレイしており、序盤からクリーチャーの相打ちを繰り返し、ダメージレースをするゲームでした。
消耗戦になった末、三田村さんのコントロールする《暴走するサイ/Stampeding Rhino(M10)》に《トロール皮》がエンチャントされ、自分の赤緑デッキでは6/6トランプル再生に対処できないので、数ターン後には負けてしまいそうな場でした。
ここで私がドローしたのは《チャンドラの憤慨/Chandra’s Outrage(M11)》。1ターン早く引けばスタックで除去できたのにと心の中で嘆きつつ、戦場を見渡します。
考えるために手札をシャカシャカしようとしましたが、たった今ドローしたカード1枚しかなかったので、戦場の《森/Forest(NPH)》《山/Mountain(NPH)》を1枚ずつ取ってシャカシャカしはじめました。
「敗北」の2文字が頭の中に浮かび上がってきて、「2ndドラフト0-3」ということを意識すると、手札の《森/Forest(NPH)》《山/Mountain(NPH)》をグニャグニャしはじめ、最後には握り潰していました。
ここが公式の文にあった「非紳士的行為」に該当する部分です。
そして失格処分になった理由は、そのままゲームを続行したことに起因します。
三田村さんは「土地を握りしめる」ことを「投了」の合図と取ったのか、自分の手札を公開してきました。それは《垂直落下/Plummet(M11)》で、彼は「高橋に流した《憤怒生まれのヘルカイト》くらいにしか効果がなさそうなの引いたよ」と言いました。
私はそれを聞きながら、「負けそう」と言いました。しかし実際、この時点では投了の意思はなく考えている最中のつもりでした。
そして考えた結果、彼の戦場にある《稲妻の精霊/Lightning Elemental(M10)》に《チャンドラの憤慨/Chandra’s Outrage(M11)》をプレイしてアタックすれば、次のターン6/6トランプルの攻撃を受けてもライフが1残り、トップデッキされなければ勝てる見込みがあることに気づきました。
私はそのようにプレイしたことで、三田村さんがアタック出来なくなるような状況が生まれ、ゲームはその後も続き、有効なカードを引いた方が勝つような場面になりました。結局数ターン後、6/6トランプル再生を対処できずに私は敗北します。
試合が終わった後しばらくしてから、私はジャッジに呼び出され、そのときの状況説明を求められました。そして上記と同じような説明をしました。
下された裁定は、失格処分でした。
それは「一度投了としたゲームを、プレイヤー間で勝手に再開することは出来ない。結果の改竄につながる」という理由からでした。
そのときのヘッドジャッジの言葉は強く印象に残っています。
「自分がどう思ってその行動をしたかではなく、他人がそれをどう見るか。それが全てです。」
一般的に言って、「場にある土地を手札に入れる」「土地を片付ける」といった行為は、投了と同義とされます。三田村さんは私が投了したと思ったからこそ手札の《垂直落下/Plummet(M11)》を公開したのです。
「ヘルカイト~」のくだりも、既にゲームは終了し感想戦に入っているものだと捉えることができます。
それにも関わらず、私はゲームを続けました。もし悪意を持って行動すれば「投了したフリ」をすることで《垂直落下/Plummet(M11)》という知りえなかった情報を得たことになります。
結果は三田村さんの勝利に終わりましたが、どちらに転んでもおかしくないゲームでした。土地を握り、投了したはずのゲームの結果が、違うものになっていたかも知れないのです。
今回私が失格処分を受けたのは妥当です。
しかし結果として三田村さんも共に失格になってしまったことを、大変申し訳なく思っています。
・自分の心情について
失格を通告された瞬間、自分の人生が終わったような感覚を覚えました。
かつてない決意で臨んだ日本選手権だったにも関わらず、失格という最低の結果を残してしまった。潮時、そんな言葉が脳裏をよぎります。
実際、辞める気持ちもありました。
それから今に至るまで、本当に長い時間を思索に費やしました。
至った結論は、それでもマジックを続けたいという気持ちが強い、ということです。
私は心の底からマジックが好きです。ここまで情熱を傾けられるものは、他にありません。
公式サイトやHappyMTGで連載していた記事も「こんなにやりこんだ!」と言いたいが為の、Diarynoteで書いてきたことと変わりない、自己満足の延長です。子供のころ、友人同士でRPGのレベル上げを競った感覚に近いものがあります。
好きだからこそ15年も続けていますし、マジックに生涯を賭けてきました。多くの人に失望され、信頼を無くしても、それでもマジックを続けたいという気持ちは強いです。
しかし、すべての人が自分に公平に接してくれるとは思っていません。
MTGwikiの「高橋優太」の項目には依然として「台パンの高橋」の汚名が記されています。
2年前の過ちを忘れず、これからどんなに真摯にプレイして行こうとも、過去の行いは消せません。この先も言われ続けるでしょう。
失格経験があるというのは最も不名誉なことであり、対戦した瞬間身構える方も多いでしょう。それはすべて自分の行動によるものですし、受け入れなければいけない部分です。そして、そこから反省を学ばなければいけません。
信頼というものは、得るよりも失う方が容易いということを今回身を持って知りました。
「これからどうするのか」という問いに対し私が答えられるのは、「改善する」ということだけです。
楽観しているつもりはありません。
今回の件で三田村さんをはじめ、多くの方々に迷惑をかけました。
試合中に起こしたこと、どちらも恥じるべき点であり、深く反省する必要があります。
しかし悲観もしていません。
例え出場停止を受けたとしても、MOやドラフトは続けるでしょう。それほど深くこのゲームにのめり込んでいますし、自分からマジックを取った姿は想像できません。
マジックを続けること、それが私の信念です。
日本選手権第10ラウンド、2ndドラフトの最終戦で、フィーチャーマッチでした。
対戦相手は三田村さんで、旧知の仲ということもあり、軽いトラッシュトークを交えながらゲームは進行しました。
お互い1本ずつ取って迎えた3本目。二人とも赤緑の狂喜デッキをプレイしており、序盤からクリーチャーの相打ちを繰り返し、ダメージレースをするゲームでした。
消耗戦になった末、三田村さんのコントロールする《暴走するサイ/Stampeding Rhino(M10)》に《トロール皮》がエンチャントされ、自分の赤緑デッキでは6/6トランプル再生に対処できないので、数ターン後には負けてしまいそうな場でした。
ここで私がドローしたのは《チャンドラの憤慨/Chandra’s Outrage(M11)》。1ターン早く引けばスタックで除去できたのにと心の中で嘆きつつ、戦場を見渡します。
考えるために手札をシャカシャカしようとしましたが、たった今ドローしたカード1枚しかなかったので、戦場の《森/Forest(NPH)》《山/Mountain(NPH)》を1枚ずつ取ってシャカシャカしはじめました。
「敗北」の2文字が頭の中に浮かび上がってきて、「2ndドラフト0-3」ということを意識すると、手札の《森/Forest(NPH)》《山/Mountain(NPH)》をグニャグニャしはじめ、最後には握り潰していました。
ここが公式の文にあった「非紳士的行為」に該当する部分です。
そして失格処分になった理由は、そのままゲームを続行したことに起因します。
三田村さんは「土地を握りしめる」ことを「投了」の合図と取ったのか、自分の手札を公開してきました。それは《垂直落下/Plummet(M11)》で、彼は「高橋に流した《憤怒生まれのヘルカイト》くらいにしか効果がなさそうなの引いたよ」と言いました。
私はそれを聞きながら、「負けそう」と言いました。しかし実際、この時点では投了の意思はなく考えている最中のつもりでした。
そして考えた結果、彼の戦場にある《稲妻の精霊/Lightning Elemental(M10)》に《チャンドラの憤慨/Chandra’s Outrage(M11)》をプレイしてアタックすれば、次のターン6/6トランプルの攻撃を受けてもライフが1残り、トップデッキされなければ勝てる見込みがあることに気づきました。
私はそのようにプレイしたことで、三田村さんがアタック出来なくなるような状況が生まれ、ゲームはその後も続き、有効なカードを引いた方が勝つような場面になりました。結局数ターン後、6/6トランプル再生を対処できずに私は敗北します。
試合が終わった後しばらくしてから、私はジャッジに呼び出され、そのときの状況説明を求められました。そして上記と同じような説明をしました。
下された裁定は、失格処分でした。
それは「一度投了としたゲームを、プレイヤー間で勝手に再開することは出来ない。結果の改竄につながる」という理由からでした。
そのときのヘッドジャッジの言葉は強く印象に残っています。
「自分がどう思ってその行動をしたかではなく、他人がそれをどう見るか。それが全てです。」
一般的に言って、「場にある土地を手札に入れる」「土地を片付ける」といった行為は、投了と同義とされます。三田村さんは私が投了したと思ったからこそ手札の《垂直落下/Plummet(M11)》を公開したのです。
「ヘルカイト~」のくだりも、既にゲームは終了し感想戦に入っているものだと捉えることができます。
それにも関わらず、私はゲームを続けました。もし悪意を持って行動すれば「投了したフリ」をすることで《垂直落下/Plummet(M11)》という知りえなかった情報を得たことになります。
結果は三田村さんの勝利に終わりましたが、どちらに転んでもおかしくないゲームでした。土地を握り、投了したはずのゲームの結果が、違うものになっていたかも知れないのです。
今回私が失格処分を受けたのは妥当です。
しかし結果として三田村さんも共に失格になってしまったことを、大変申し訳なく思っています。
・自分の心情について
失格を通告された瞬間、自分の人生が終わったような感覚を覚えました。
かつてない決意で臨んだ日本選手権だったにも関わらず、失格という最低の結果を残してしまった。潮時、そんな言葉が脳裏をよぎります。
実際、辞める気持ちもありました。
それから今に至るまで、本当に長い時間を思索に費やしました。
至った結論は、それでもマジックを続けたいという気持ちが強い、ということです。
私は心の底からマジックが好きです。ここまで情熱を傾けられるものは、他にありません。
公式サイトやHappyMTGで連載していた記事も「こんなにやりこんだ!」と言いたいが為の、Diarynoteで書いてきたことと変わりない、自己満足の延長です。子供のころ、友人同士でRPGのレベル上げを競った感覚に近いものがあります。
好きだからこそ15年も続けていますし、マジックに生涯を賭けてきました。多くの人に失望され、信頼を無くしても、それでもマジックを続けたいという気持ちは強いです。
しかし、すべての人が自分に公平に接してくれるとは思っていません。
MTGwikiの「高橋優太」の項目には依然として「台パンの高橋」の汚名が記されています。
2年前の過ちを忘れず、これからどんなに真摯にプレイして行こうとも、過去の行いは消せません。この先も言われ続けるでしょう。
失格経験があるというのは最も不名誉なことであり、対戦した瞬間身構える方も多いでしょう。それはすべて自分の行動によるものですし、受け入れなければいけない部分です。そして、そこから反省を学ばなければいけません。
信頼というものは、得るよりも失う方が容易いということを今回身を持って知りました。
「これからどうするのか」という問いに対し私が答えられるのは、「改善する」ということだけです。
楽観しているつもりはありません。
今回の件で三田村さんをはじめ、多くの方々に迷惑をかけました。
試合中に起こしたこと、どちらも恥じるべき点であり、深く反省する必要があります。
しかし悲観もしていません。
例え出場停止を受けたとしても、MOやドラフトは続けるでしょう。それほど深くこのゲームにのめり込んでいますし、自分からマジックを取った姿は想像できません。
マジックを続けること、それが私の信念です。
コメント
…森と山がもう少し頑丈だったら良かったのにね。