11月18日の日記

2005年11月18日 ポエム
あの頃はよかった









そう思うとしたら、自分がもう大人になってしまったからなのだろう









記憶というのはいつのまにか懐かしくいい匂いのするものにつくりかえられてしまう









けれど、本当は、よかったはずのあの頃には、ただのぼうっとした一人の子供がいるだけなのだ









あの頃はなにも知らなかった。なにもわかってなかった









だからこそあきれるほど無防備に勇敢でいられたし、好きなだけ臆病で孤独にいられた









くだらないものを大切にして、大切なものを無造作にあつかった









あの頃出会った人たちを何人思い出すことができるだろう









友達と呼んでいた人たちは今、何をしているのか。もう会えない人もいる。行方さえ知らない人もいる









たとえ再び出会えたとしても、もうあの頃の自分達ではない。あれはあの頃の私であり、あの人だったから起こり得たことだったと、あの頃はまるで知らずにいた





















大人は、失ったものと出会って泣く。

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