OUT(アウト)

2005年9月6日 読書
ISBN:4062085526 単行本 桐野 夏生 講談社 1997/07 ¥2,100

主婦を主人公にしたハードボイルドです。基本的にはハードボイルド風ですが、とにかく人物の描き方は念入りで、内面にまで粘っこく入り込んでいます。そのせいでスピード感はありませんが、緊張感と説得力で読み手の気持ちを逸らしません。

4人の主婦たちの内面描写が圧巻です。四者四様の心の闇や彼女たちが犯罪に身を染めていくプロセスが生々しく描かれていて説得力抜群。後半の主人公が追い詰められていく場面も迫真的ですが、一番怖いのはこの4人の主婦たちの内面描写でしょう。どこにでもいそうな普通の主婦たちがあるきっかけから凶悪犯罪に身を染めていく、と言葉で説明するのは簡単ですが、それを小説として違和感無く描破してしまう桐野氏の手腕には舌を巻きました。

田中美佐子主演でドラマ化もされていて、中学の時に毎週欠かさず見ていました。主婦達の心の闇や、死体を解体してゴミの日に捨てるといった衝撃的な内容だったため、気になって原作も読みました。

俺の持論なんですが、やっぱ映像より文字のほうが説得力があるっていうか、映像だとどうしても情報量が限られてしまうんですよね。

さらばじゃ

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索